
旬の夏みかんの栄養と風味を閉じ込めた「マーマレード」レシピ
SUMMARY
- ・栄養がたっぷりの夏みかんを保存食に
- ・果肉を上手に取り出すことが最大のポイント
- ・まとめ
ほろ苦く甘酸っぱい味わいが特徴の夏みかんは、まさに今が旬。果実はみずみずしく歯ごたえがあり、プチプチとした食感を楽しめます。
そのままでももちろんおいしいのですが、夏みかんの季節を過ぎたあとにもその香りや味わいを楽しむ方法があります。
それがマーマレード。
今回は旬の夏みかんを長く楽しむためのレシピを料理家の志津野倫子さんに教えていただきました。
パンのお供だけでなく、初夏にふさわしい爽やかなドリンクとしてもお楽しみいただけます。
厚くて硬い皮が特徴の夏みかんは、柑橘類の中でも香りがよくて食べ応えのあるフルーツです。
その鮮やかなオレンジ色はカロテノイドと呼ばれる栄養素で、発ガン抑制効果があることでも知られています。
そのほかポリフェノールの一種でビタミンCと協力して働くヘスペリジン、整腸作用のあるペクチン、ビタミン群、葉酸、カリウム、ミネラル、クエン酸を豊富に含み、完熟するほどその栄養価は高まります。
特徴的な苦みは白いワタに含まれ、抜きすぎると風味がなくなってしまうそう。
今回はその苦みもほどよく楽しむレシピです。
もし写真よりもワタが皮に多く残ってしまった場合は、水にさらしましょう。苦みが和らぎます。
2.むいた皮の重さを計ったあと(A)、細く刻み、圧力鍋に1~2分かけます。
3.夏みかんが安定するように上下を薄く切り、実の方に残っているわたをそぎ落とします。このとき夏みかんの丸みに沿うように包丁を入れるのがポイントです。
4.ふさに切り込みを入れ、果実を取り出していきます。最初は薄皮に沿ってVの字に切り込みを入れて取り出しますが、2回目以降は芯に切り込みを入れて袋の口をやぶり、ふさをはがすようにするとスムーズです。一見、難しい作業のように思えますが、オレンジやグレープフルーツと違って実がしっかりしているので、コツさえ覚えてしまえば意外と簡単なはず。
薄皮には食物繊維が、種にはペクチンが含まれています。捨てずにとっておきましょう。薄皮を刻み、実と薄皮の分量を量ります(B)。
ちなみにペクチンは食物繊維の一種で、天然の多糖類。マーマレードなどのジャムは糖分を加えることでとろみが出るので、ペクチンを多く入れることで砂糖の分量を少なくすることができヘルシーな仕上がりになります。
5.圧力鍋に2の皮、4の実と薄皮、A+Bの40%の砂糖を入れてへらでつぶすようにまぜ、水が出てくるまでしばらく置きます。薄く輪切りにしたレモン、お茶パックに入れた種を入れ、圧力を1分ほどかけます。
6.A+Bの2%のハチミツを加え、5~6分ほどお好みの硬さになるまで、焦げないように混ぜながら煮詰めます。冷めると硬くなるので緩めで火を止めるのがポイントです。
そしてこれからの季節は、マーマレードを炭酸水で割って飲むのもおすすめ。ちょっぴり苦みのある柑橘のシュワッと爽やかなドリンクは、初夏のリラックスタイムにぴったりです。マーマレードは加熱することでビタミンCが壊れてしまうので、ぜひLypo-Cといっしょにどうぞ。
また意外に思えるかもしれませんが、カリカリに焼いたベーコンと混ぜてトーストに添えても。甘辛バランスが絶妙な味わいはクセになるはず。
いろいろなスタイルでマーマレードをお楽しみください。
栄養がたっぷりの夏みかんを保存食に

果肉を上手に取り出すことが最大のポイント
夏みかんのマーマレードづくりは、最初の下準備が肝心。上手に皮をむいて果肉を取り出す作業のほか、ほんのりとした苦みを出すために皮も使うのできざむ作業も。でもそれさえ済んでしまえば、あとは圧力鍋にまかせるだけ。材料もシンプルなので、早速挑戦してみてください。 【材料】 夏みかん 2個(1個約300〜400g) 砂糖(てんさい糖) 夏みかんの40% はちみつ 夏みかんの2% レモン 1/2個 【作り方】 1.夏みかんにワックスがついている場合は、タワシを使ってお湯で洗っておきます。夏みかんの皮を、白いわたが少し入るくらいの厚さに薄くむきます。このわたの量がポイントで多いと苦みが強くなりすぎ、少ないと風味が薄まってしまいます。厚さは写真をご参考にしてください。




まとめ
今回、砂糖は味がやさしいてんさい糖を使用しました。てんさい糖の材料は「てんさい」のみ。未精製のため、原材料の色素やミネラルなどが豊富に含まれています。よりきれいな色に仕上げたい場合は、白砂糖がおすすめで、味わいもクリアになります。黒糖を使用した場合は、味が濃く、色も濃い目に。お好みに合わせて調整してください。