
見逃さないで!今、すべきは「夏疲れ肌」解消
SUMMARY
- ・夏の終わりの肌は、バリア機能がダウンしている!
- ・ケアのポイントは“ていねいなスキンケア”
- ・十分な睡眠と栄養補給で、本来もつ修復力をアップ
- ・まとめ
例年になく暑さが厳しかった夏もようやく終わり、空もすっかり秋めいてきました。
日差しも和らぎ、爽やかな気候に、お出かけを楽しんでいらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
そんな秋ですが、実は美容面ではとても大切な季節と言われています。
今、注意したいのが「夏疲れ肌」と呼ばれる夏のダメージを引きずった肌。
この状態のまま本格的な秋を迎えると、肌のダメージはさらに進行し、老化のスピードを速めてしまうことに。
具体的に「夏疲れ肌」とはどういう状態なのか、どういったケアをすべきなのかを、元麻布スキンクリニック院長の田中志保先生に伺いました。
本格的な乾燥の季節を迎える前に、皆さまもケアを見直してみませんか?
夏の終わりの肌は、バリア機能がダウンしている!
「毎年9月になると『夏の疲れが肌に出ている』という患者さんがクリニックにいらっしゃるのですが、今年は特に多い印象があります。行動制限が緩和されて、日焼けをされた方が多かったのでしょう」と田中先生。
この日焼けが「夏疲れ肌」の主な原因といいます。
「紫外線を浴びるとメラニン量が増えるだけでなく、ターンオーバーが乱れ、肌のバリア機能が低下します。バリア機能が低下すると肌はダメージを受けやすくなり、乾燥も進行。その一方で、夏は皮膚分泌が活発なので毛穴が開いて表面はべたつくといった複雑な状態です」
この「夏疲れ肌」を放ったまま本格的な秋を迎えると、肌の乾燥はさらに進行します。
「バリア機能が低下していると肌の水分を保持する力が弱まり、どんどん水分が逃げてしまいます。気温も湿度も下がることによって肌の乾燥はさらに悪化。肌あれしやすくなり、さらにバリア機能が低下する…といった負のスパイラルに。小ジワも目立ち、老化が進んでしまうのです」
つまり今の時期にいかにバリア機能を修復するかが、未来の肌運命の鍵となるのです。
ケアのポイントは“ていねいなスキンケア”
「夏のダメージを回復させるには、スキンケアをとにかくていねいに行うことが大切です。お顔はもちろんですが、耳やアゴの下、首の後ろや腕などもうっかり日焼けをしている場合が多く、キメの乱れや色ムラがあったり、乾燥している場合があります。よくチェックしてお顔の肌と同じようにていねいにスキンケアしましょう」
とにかく保湿が最大の鍵。いつも以上にていねいに、やさしく保湿ケアを行いましょう。ローションをつけたらクリームか乳液でフタをすることもお忘れなく。
そして肌がゴワつく、ザラつく人はピーリングやスクラブ洗顔をしがちですが、田中先生はおすすめしないそう。
「肌のコンディションをきちんと把握していないのにピーリングをするとトラブルになるケースも。自己判断で行うのはやめましょう。スクラブ洗顔も肌に摩擦を起こしやすいので、バリア機能をさらに低下させる可能性があります」
スクラブ洗顔で肌はツルツルになったけれど、肌色がくすんできた…という人はまさにバリア機能がさらに低下してしまった証し。そのツルツルは古い角質がとれたのではなく、キメが失われているケースもあるそう。
「ザラつき、ゴワつきが気になる場合は自己判断はせず、クリニックに相談して肌状態に合った治療を受けてください」
十分な睡眠と栄養補給で本来もつ修復力をアップ
そして田中先生が最も大切とおっしゃるのは睡眠です。
「夜は肌の修復タイム。とにかく睡眠をしっかりとってください。しっかり睡眠をとることによって皮膚のバリア機能が回復してきます」
さらにしっかりと栄養をとることもマスト。
「肌のもととなるたんぱく質、そして肌代謝を高めるビタミンをしっかりとるようにしましょう。特にビタミンは食事だけでは補えないこともあります。Lypo-Cなどのサプリメントで補うこともポイントです」
そして忘れてはいけないのがUVケアです。
「9月になると日焼け止めを塗らなくなる人が増える傾向にあるようです。確かに夏に比べたら紫外線量は落ちますが、紫外線によるダメージは引き続き警戒が必要です。UVケアも続けて行うことが健康できれいな肌のためには大切です」
まとめ
紫外線を浴びた分だけ肌にダメージは蓄積されます。「夏疲れ肌」を見逃さないで今のうちにしっかりと肌を立て直すことが、健やかな肌をキープするための鍵。
基本のスキンケアをていねいに行い、睡眠と栄養をしっかりとって、素敵な秋を迎えてください。
田中志保先生
皮膚科医。大学病院や皮膚科クリニックの勤務医を経て、2022年に元麻布スキンクリニックを開設。不自然なアンチエイジングではなく、年齢に応じた自然な美しさを大切にしながら、心も体も元気になるような治療に多くの人が信頼を寄せている。