
タンパク質を多く含む食べ物は?摂取量目安や効果的に摂るためのポイントを紹介
SUMMARY
- ・タンパク質とは
- ・タンパク質を多く含む食べ物
- ・タンパク質の摂取量目安
- ・タンパク質を効果的に摂るポイント
- ・相乗効果が期待できる栄養
- ・まとめ
健康や筋力維持には、タンパク質が欠かせません。
日々の食事で体重1kgあたり約0.66gの摂取が推奨されていますが、これを達成するためにはタンパク質を多く含む食品を食事に取り入れる必要があります。
この記事ではタンパク質を多く含む食べ物について詳しく解説します。
タンパク質とは
タンパク質は、エネルギー産生栄養素のひとつで筋肉・内臓・皮膚・爪・毛髪など、人体の基本的な構成要素を作る大切な栄養素です。
また、抗体・ホルモン・酵素などの体調を調節する機能もあります。
体が必要とする良質なタンパク質は、必須アミノ酸を含んでおり、これらは体内で作れないため、食事からの摂取が必要です。
十分な量のタンパク質を摂ることは、筋肉の修復や成長、免疫機能の維持、エネルギーの供給など、健康を維持するためのさまざまな働きをサポートします。健康的な生活を送るために、毎日の食事にバランスよくタンパク質を取り入れることが重要です。
タンパク質を多く含む食べ物
健康的な生活を維持するためには、タンパク質の摂取が不可欠です。
ここでは、肉類・魚介類・卵・大豆製品・乳製品など、タンパク質を多く含む食べ物を種類ごとに詳しく紹介します。
● 肉類
タンパク質を多く含む肉類でも、脂質が少なくヘルシーな鶏肉や豚の赤身肉は特におすすめです。また、鶏ささみや鶏胸肉は低カロリーでありながら、高タンパク質の食材として広く知られています。
特に鶏ささみは脂肪が少なく、ダイエット中の方にも最適です。豚ロースは赤身の部分が多くタンパク質をしっかり摂取できる一方で、脂身を取れば脂質の摂取を抑えられます。
これらの肉類は筋力をサポートしながら、健康な食事を楽しむための心強い味方です。
● 魚介類
魚介類はタンパク質源として非常に優れています。
赤身魚は高タンパクでありながら、EPAやDHAといった多価不飽和脂肪酸を多く含む良質な脂も豊富です。
白身魚も高タンパクですが脂が少なくヘルシーで、中にはアスタキサンチンと呼ばれる強い抗酸化作用を持つ天然色素を含む魚がおり、健康によいとされています。
また、エビは品種によっても異なりますが、鶏むね肉に匹敵するほどのタンパク質を含みます。
これらの魚を日々の食事に取り入れることで、ほかの栄養素と一緒に良質なタンパク質を簡単に摂取できるでしょう。
● 野菜類
野菜類は他の食材と比べるとタンパク質の含有量が少なめですが、ビタミンやミネラルが豊富で、栄養バランスを整えることに役立ちます。
中でも、枝豆はタンパク質が多く含まれており、副菜として取り入れたい食材のひとつです。
ブロッコリーはビタミンCやカリウムが豊富で、少量ですがタンパク質を補えます。
たけのこもタンパク質を含み、食物繊維やビタミンが豊富で料理のアクセントとしても優秀です。
これらの野菜を食事に取り入れることはタンパク質の補充には十分とはいえませんが、それ以外の体を作るのに大切な栄養をしっかり摂取できます。
● 大豆製品
大豆製品はカロリーが低く、ダイエット中のタンパク質補給に最適です。
特に納豆は、タンパク質を豊富に含み、低カロリーなうえ、発酵食品として腸内環境を整える効果もあります。
また、きなこはヨーグルトやスムージーに加えるだけで手軽にタンパク質を摂取できます。
ヘルシーで高タンパク、腹持ちのよさを求めるなら、がんもどきがおすすめです。
豆腐をベースに作られた食材なので食べごたえがありながら、良質なタンパク質を取り入れられます。大豆製品を上手に活用すれば、ダイエットにも役立ちます。
● 穀類
穀類は主食として日頃から摂取される食品ですが、実はタンパク質も含まれています。
特にオートミールは食物繊維とタンパク質が豊富で、血糖値の急上昇を抑えてエネルギー源になってくれるため、朝食や軽食におすすめです。
また、食パンや白米も、主に炭水化物源として知られていますが、少量ながらタンパク質も含んでおり、日常の食事で手軽に摂取できます。主食もしっかり取ることで、栄養バランスが整い、健康的な食生活を叶えられます。
● 卵類・乳製品
卵類や乳製品も、タンパク質を豊富に含む食品です。
卵は1日1〜2個を目安に摂取することで、必要なタンパク質を効率よく補えます。
鶏卵やうずら卵は、料理に取り入れやすく、さまざまなメニューで活用できることが嬉しいポイントです。
また、牛乳やチーズ、ヨーグルトには「ホエイタンパク」と呼ばれる高品質なタンパク質が含まれており、筋肉の維持や回復にも効果的です。
これらの食品をバランスよく食生活に加えることで、体に必要なタンパク質を無理なく補給できます。
タンパク質の摂取量目安
タンパク質の摂取量の目安は、年齢や活動量、健康状態によって異なります。
以下は、厚生労働省が示す1日のタンパク質摂取目標量を性別・年齢・活動量(3段階)で分けたものです。
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」2020年度版
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586557.pdf
タンパク質を効果的に摂るポイント
タンパク質を効果的に摂取するには、日々の食事に工夫が大切です。ここでは、効率よくタンパク質を取り入れるために重要な2つのポイントを紹介します。
これらの方法を実践することで、健康や筋力維持に効果を発揮できます。
● さまざまな食べ物を取り入れる
タンパク質を摂取する際には、より多くの食品を取り入れることが大切です。タンパク質に含まれるアミノ酸の種類や量は食べ物ごとに異なるため、単一の食品だけでは必要なアミノ酸をバランスよく摂取することが難しいためです。
一種類の食品に偏ると、栄養が不足し、体調に影響を及ぼす可能性があります。肉や魚・豆類など異なる種類のタンパク質源を組み合わせることで、アミノ酸のバランスが整い、健康的な食事ができます。
● 毎食均等に摂取する
タンパク質は、毎回の食事で均等に摂ることが大切です。一度に大量に摂取しても、体が吸収できる量には限りがあるので、1日3回一定量のタンパク質摂取がおすすめです。
特に朝食を抜くと、エネルギー不足や体調不良を引き起こす可能性があるため、朝食でもタンパク質を含む食品をしっかり取り入れることが重要です。日々の食事でタンパク質を均等に摂ることで、安定したエネルギー供給と体の健康を維持できます。
相乗効果が期待できる栄養
タンパク質は、他の栄養素との組み合わせによってさらに効果を高めることができます。ここでは、タンパク質と一緒に摂取することで相乗効果が得られる栄養素を2つご紹介します。
● ビタミンB類
タンパク質の効果を最大限に引き出すためには、ビタミンB類の摂取が重要です。
特にビタミンB6は、タンパク質の代謝をサポートし、効率よく体内で利用できるようにします。
豊富に含まれる食材は、マグロや鮭・レバー・バナナなどです。
また、ビタミンB12はしじみ・焼きのり・牛レバーなどに多く含まれており、神経の機能を正常に保つ役割があります。
さらに、ビタミンB1、B2、B6は、タンパク質の吸収に役立ち、エネルギー生産を助けます。
ビタミンB類を意識して摂取することで、タンパク質の吸収率と活用の向上が可能です。
● ビタミンD
ビタミンDは脂溶性ビタミンで、体内のタンパク質を活性化させる重要な栄養素です。
さらに、カルシウムの吸収を促進します。
特に、筋力を維持したい人にはタンパク質と同じくらい欠かせない栄養素です。ビタミンDは食事から摂取するほか、日光を浴びることで体内でも生成されます。鮭やあんこうのきも・しらす干し、・いくらなどの食材に多く含まれており、これらを積極的に取り入れることで、筋肉の成長と維持に役立てられます。
まとめ
タンパク質は、私たちの健康に欠かせない栄養素のひとつです。
さまざまな食材からバランスよく摂取することで、体調を整え、よりよい生活をサポートします。
また、ビタミンB類やビタミンDなど、タンパク質の代謝や吸収を高める栄養素を組み合わせることで、効率よく栄養を摂り入れて健康を維持できます。
記事監修
石田 清隆先生
広島ステーションクリニック
肝臓学の専門医で、広島ステーションクリニック理事長。長年、基幹病院の一線でウイルス性肝炎、肝細胞がんの診療を行い、ウイルス性肝炎の経口剤治療、肝細胞がんのラジオ波焼灼療法やカテーテル治療の経験が多数ある。現在は、画像診断、栄養解析データをベースに脂肪肝、糖尿病などの生活習慣病に対して徹底的な栄養、運動指導を行い、薬に頼らない治療を目指している。2023年1月にアンチエイジングセンター「Milky Cloud Well-being Center」を開設。著書に「人生を好転させる2‐week鉄活」(幻冬舎)がある。